ミラクルアイドルメグ Vol.1

ミラクルアイドルメグ 1 (東進ブックス 英文多読シリーズ)


昨日読んだ「霊感少女リサ」と同じ、英文多読シリーズの本です。英検準2級から2級くらいの英語で書かれたライトノベルだそうな。
巻末に和訳が付いていて、HPからは英語音声と声優の日高のり子さんが朗読する日本語音声がダウンロード出来ていろいろ充実の本です。
霊感少女リサは主人公が外国人で舞台も国外っぽかったから「ライトノベル?」という感じがしましたが、今作は可愛いアニメちっくな女の子が媚びてる表紙になっていて見た目はだいぶ軌道修正されたように思えます。そうそう、やっぱりこうでなくちゃいけません。後はタイトルもそれっぽく、例えば「ホームレスからアイドルになったんですけどミラクルアイドルメグは受難続き」みたいに長ったらしく書けば雰囲気が出るかもしれません。「ミラ・メグ」みたいに四文字にするのは微妙に古臭いから注意な!(俺のタイトルセンスは気にするな)
さて今回のお話ですが、TVの中のアイドルに憧れる15歳の女の子が主人公です。実家は小さな工場を経営していますが資金繰りは苦しく生活は豊かではありません。父親は鬱憤がたまると妻や娘のメグに暴力をふるい、パチンコや競馬に出かける始末。母親は生活に疲れて娘を若干ネグレクト(育児放棄)気味。メグは着古したシャツに分厚いレンズのメガネの地味な女の子で、友達の輪にイマイチ馴染めず学校もサボってしまいます。<1話終了>
ある日両親がガチャガチャと家具を片付け始めたと思ったら、ちょっと散歩から戻ってくるまでの間にメグを残して夜逃げしてしまいました。すぐさまやってきた借金取りに家を没収されホームレス生活へ。役所を当てにする事も考えましたが、自由を選んで河川敷でテント生活することを選びます。お情けで貰った資金で物資を整え、ゴミを漁ったり置き忘れた釣銭を集めたり食べ物を万引きしたりして数カ月が過ぎ…<2〜4話>
…ってママー!このライトノベルおかしいよ!?
なんでライトノベルを書こうとしてこんなハードな展開になっちゃうの!?ライトノベルなんてゆとり仕様の人生甘々モードな生活を送らせとけばいいのよ?道を歩いてたら美少女とぶつかってスカートの中に顔を突っ込んじゃったみたいなハナクソみたいな事をやらせとけばいいんですよ。ホームレスで万引きとか、別の意味でハナクソだよこれは! たぶんお話の書き手さんはライトノベルを書こうとするとどうしてもこうなっちゃう気がします。天然ものの展開だから仕方ないね。
これはもう人生詰んでるんじゃないかと思わなくもないですが、その後たまたま助けてくれた人がアイドルプロダクションの社長でアイドルデビューすることが決まるから問題なしさ。マジか!
まぁ、取り敢えずお試しデビュー的な感じで秋葉原のアイドルカフェで歌う事になります。AKB48的なアレですね。どんな感じになるのかなと様子見をしてたら、メグは自分のホームレス生活と両親蒸発を笑顔で暴露。そこにいたDJと観客は見事ドン引き。あまりの内容に「そういう設定のイロモノキャラなのかな?」という雰囲気すら漂いますが、全部実話という衝撃。
( ゚Д゚)  …この娘いけるで!(確信)
見事観客の心を掴み、正式デビューが決まりましたとさ。

ミラクルアイドルメグ Vol.2

ミラクルアイドルメグ 2 (東進ブックス 英文多読シリーズ)


ラクルアイドルメグ Vol.1の続きがこのVol.2ですが、素直に上巻下巻って書けばいいじゃない!と思うくらいのブツ切り感。続きです。
さてめでたくデビューが決まったメグですが、そんなトントン拍子で話が進めば嫉妬する人間も出てくるというもの。ライバル(強敵と書いて友と読む)と最後に立ちはだかるボスの登場です。ここからの展開は物凄いの一言。メグは順調にスター街道を上り詰めていくのですが、悪魔に魅入られているかのような強運で周りを不幸にしつつ障害物を蹴散らしていきます。えげつなすぎてむしろリスペクトするレベル。この作品の最高に面白い所なのでバラしはしませんが、例えば晴れ舞台でメグが感謝の涙を流していても、私には彼女の周りで数々の怨念が哀しみの涙を流している姿がまざまざと見えるようでした。
そんな感じで一応Vol.2でメグのお話は終わりの様です。
ライトノベルかどうか以前にストーリーがとんでもないので、これはこれでいい感じがする気がします。愛嬌ですね。
やはり最初から英語学習を目的として日本人が執筆しているせいか、出てくる英単語の種類がよく選ばれている感じがします。難易度が簡単な洋書は他にも読んだことがありますが、外国人の簡単と日本人の簡単の感覚が違うのか見慣れなかったり理解するのに手間取ったりする単語がちょこちょこあったりするんですよね。別に受験とかは私はもう関係ないのでのんびりそういう単語も調べたりしますが、テストに出てきそうもない単語を覚えるのは学生には辛いよなぁと考える事があります。そういう意味じゃ、この本に出てくる英単語に無駄はなく、構文も教科書のようなきれいなものなので気に入ったのなら丸暗記しても全然良さそうです。
後はどうしてもライトノベルっぽくならない内容ですな。会話文が足りてないせいじゃなかろうか。ライトノベルって情景描写うんこくらえの勢いでキャラ同士の会話で話を進めるからそんな感じで。読み易くするために文字数が限られてるせいもあるかもしれませんが、そういえば今テレビアニメ放送中のGJ部は小説だと1話4ページ縛りでライトノベルをやれているから無理な話ではないかなとは思います。
ちなみにオフィシャルサイトではこれから発売される「バレンタイン学園 殺人日記」を含めた4冊全ての感想を書いて送ると、先着でオリジナルTシャツが貰えるキャンペーンが開催されているようです。条件は作品全ての内容に言及していて、日本語で各200文字以上とのこと。私も後一冊読んでこの日記を送ればめでたく応募資格ゲットなんでしょうか(文字数は余裕)。…まあ、本来のターゲットである東進の中高生たちの席を奪っちゃダメでしょ!私!
そもそも「バレンタイン学園 殺人日記」は買うと決まったわけじゃないし、発売もまだだしそんな何ヶ月も待ち望んでいるほどのモチベーションは保つ気もないしで…、え、明後日にはもう出ちゃうの?これで私も4冊コンプリート出来ちゃうの?
うわっ!