乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…
最近kindleで買った本の総数が1800冊とかになってきて、購入数にビビるというより電子書籍のスペースの取らなさが本当に半端ないなとデジタル万歳な生活を送っております。ちなみに9割5分が漫画です。これ本棚に並べたら、部屋の壁一面を覆うどころか二面ぐらい必要なんじゃなかろうか。
そんな感じでそこそこ冊数も増えてきますといろんなキッカケから作品を知ることになりまして、本日のこちら「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」はゼロサムオンラインで無料公開されているコミカライズの方から知った次第なのです。公開されている分のコミックを読んで妙にほのぼのしちゃって月一の更新をささやかながら楽しみにしていたんですけど、1ヶ月か2ヶ月くらい経って月間は遅すぎ!となって小説家になろうにある原作のページにたどり着きました。
このお話は現代の女子高生が事故で死んじゃった後、乙女ゲームの悪役キャラとして転生するって内容なんですけど、まぁそんなところを一生懸命説明してもあんまり意味はないと思うので、ぶっちゃけわざわざ文字だけのなろう版原作を読まないでWebで公開されているコミックを読んで大人しくカタリナさまをお慕いしておりますわしていれば良いと思うのです。
せっかく流行の異世界転生をした割にはチート能力なんてものは何も授けられなかった主人公の女の子のアドバンテージは、ここは前世の自分が死ぬ直前までプレイしていた乙女ゲームの世界だと気付いたことと一般的な現代ハイスクールライフの記憶だけ。しかも自分はそのBLゲームに出てくる主人公(女性)のライバルキャラで、悪役令嬢として主人公への妨害の限りを尽くした後にゲームのハッピーエンドでは国外追放、バッドエンドならぶち殺されるという運命が待ち受けているというのです。この死亡エンドを回避するためにあちこち奔走するのですが、現代知識すらほとんど使わずに釣りに木登りにと駆け回るばかりの姿は笑えます。コメディ調のお話はとにかく辛い展開とかに一切ならず、辛い事なんか現実で十分足りてますよな私にはこの優しい世界に大層心安らぐ思いなのです。
あと、なろう版の良いところは短いながらも綺麗にまとまっているところですね。ゲームのエンディングっぽいところで終わっているので満足感もあります。コミック版で続きが気になったら、あらすじを確認する感じで覗きに行けます。といかコミック版の出来が良く出来過ぎてますよ。原作は非常にシンプルな描写をしていますので、原作そのままのセリフでも絵が付くとグンと説得力が増します。というかそいういうぴったりな絵を用意できるコミカライズ担当の方が凄いです。
小説家になろうにあるお話は癖が強いのが多いですけど、自分の性癖にばっちり来ちゃったんだからしゃーないのです。
ヒストリア
池上永一さんの4年ぶりの新刊は、表紙にチェ・ゲバラ、テーマに戦争を持ってきて、作者さんが大好きな私でも思わず「うわぁ、買いづらい」と思うほど重苦しそうな雰囲気が漂っております。まさか池上永一さんがチェ・ゲバラという実在の人物焦点を当てて、史実に則ったシリアスなフィクションを描くなんて。
いつもの底抜けに明るくて元気になるようなお話は語ってくれないのかしら、そう一瞬だけ思って心の底では微塵も信じてない私でしたが、その予想通り今回もご用意されております波乱万丈ジェットコースター型の人生疑似体験。特にチェ・ゲバラは完全に脇役で、読み終わってみるとなにキミ主人公みたいな顔をして表紙を飾ってるの?って感じです。実際読者が強制的に壮絶人生の絶叫マシーンに相乗りする事になる主人公は、沖縄県在住の少女 知花 煉(ちばな れん)さん。1945年3月の沖縄本島にて米軍の爆撃の真っ只中を全力疾走で逃げ回る彼女は、両親、兄弟、友人知人に家も財産も全て失うところからスタートします。作者さん特有の強烈な精神的タフネスを備えた漢乙(おとめ)思考の女性が、幾多の困難に叩き潰されながらもあらゆる敵に戦いを挑むことになります。彼女の敵は米軍だったり諜報機関だったり、洪水だったり疫病だったり、そして借金だったりと多種多様です。代わりに彼女は倫理観が欠如してるんじゃねぇかってくらいの大胆な発想と、こいつ頭がおかしいんじゃねぇかってくらいの狂気の行動力を武器にして、それでも駄目なら拳を使って数多の戦争のような日常を駆け抜けます。
本日読み終わりましたこちらの「ヒストリア」は、そんな怒涛の人生を強制体験させるアトラクションへの招待券みたいな一冊です。
主人公の知花 煉さんはお話の冒頭であらゆる財産を失った後、闇市の物々交換から生活基盤の立て直しを始めます。このお話のメインは普通に食べて普通に着飾って普通に寝る事、普通の生活を手に入れることになるでしょうか。戦争によって日常が崩壊した世界から脱出するために、やがては日本の沖縄から南アメリカのボリビアへと飛んでいきます。南アメリカ!ラテンアメリカ!
あのマジックリアリズムで知られるラテンアメリカ文学の地で、池上永一さん流のマジックリアリズムが奇しくも炸裂するなんて。さながらガルシア・マルケスの"百年の孤独"のように、主人公達はボリビアの未開の地で樹木を切り倒しコロニア・オキナワを創設するのです。ただし100年も過ぎないし世代交代もしません。最初から最後まで知花 煉さんの激闘のお話です。しかもその凄まじさは思わず笑いが出るほど滅茶苦茶で、金持ちになってもしょっちゅう無一文に逆戻りしたり、畑で作物を育てていたらいつの間にか国際犯罪の片棒を担がされていたりと、これでもかというほどの困難を作者さんは用意しています。そしてそれらを作者さん持ち味の軽妙な言葉遣いとユーモアで、ゲラゲラ笑わせられながら楽しませてくれるのです。マブイ(魂)落としとかは作者さんお馴染みの要素でしたが、主人公から分裂した魂が普通に主人公に成り代わってて笑いました。もう一人の自分が生活を脅かしてくるなんてホラーかサスペンスになりそうなものですが、何故か笑いも混じってくるのがこの作者さんの好きな所です。お馴染みの謎キャラ北崎倫子もこっそり出てました。
普通に笑って普通に泣く普通の主人公なんですが、池上永一さんはそれに普通じゃない不屈の闘志を必ず持たせるのです。まさにヒーローの如き活躍に、いつだって私の胸は夢と期待でワクワクさせられちゃうのです。
The Toaster Project: Or A Heroic Attempt to Build a Simple Electric Appliance from Scratch
また地道に英語の勉強代わりに洋書を積み上げています。めっちゃ苦労するのは相変わらずです。
さてまた一つ読み終わりましたコチラの本「The Toaster Project」。
日本語の翻訳版だと「ゼロからトースターを作ってみた結果」ってタイトルになっています。匿名掲示板のスレッドタイトルみたいです。
副題に「〜 from Scratch(最初から、ゼロから)」とあるように、この本では一般的なトースターの製作を素材作りからやってみる事に挑戦したイギリス人学生の、数カ月に渡る悪戦苦闘を愉快にまとめたドキュメンタリーとなっています。素材から作るというのは単純に、トースターの本体に鉄が使われているのなら鉄鉱石から鉄を抽出することから始めます。プラスチックで部品を作りたかったら、ブラスチックを作るところから始めます。それから加工して組み立ててトースターに仕上げます。実にアホですね。素敵過ぎます。
ちなみに最終的にどんなトースターが出来上がったかというと、表紙に載っている写真がまさにソレ。あれ、トースターだったんだ…ってなること請け合いの衝撃的なビジュアルに、このプロジェクトが如何に難航したかが窺い知れますね。
著者の Thomas Thwaites(トーマス トウェイツ)さんは当時学生さんでして、アートの大学院の卒業制作でこの「トースタープロジェクト」を実施したそうです。何故こんな事をやろうかと思い至ったのか理由はいろいろ書いてありましたが、英語だったのでよく覚えていません。ダメじゃん俺。でももっともらしい理由でいくら取り繕っても、結局のところ「面白そうだったから」ってのが一番の動機じゃないかなと思いますけどね。だって、「素材作りから始めてトースターを作ってみました。結果はこれ(表紙の写真)です」って見せられたら一体何をどうしてトースターに見えないこれをトースターと言う事になったのか、すっごい気になるじゃないですか。
では目出度くトースター作りに取り掛かることになったとして、ゼロから作るとはいったいどういう事かを決める所から本書は始まりました。素材から作るといったって、例えば鉱石から金属を抽出するとしてもその鉱石を加工するための火はどうするのか、マッチを使うとしたらマッチを作るのか、マッチを作るための道具を作ることから始めるためにまずは素っ裸の状態から始めるべきなのか、そして私は散歩をしている人に通報されて警察のお世話になるのだろう…ってな感じで思いっきり脱線しながら、とりあえず地面から掘り出すのはOKという具合に落ち着きます。鉱石を作るためになんやかんや宇宙を創造する案は却下されました。
次に使う道具ですが、これも産業革命以前から変わらないのものだったらOKという事にしたようです。石を使って根性で木を削れるなら、同じ動作で鉄製品を使って時間を節約するのはアリという事です。その解釈を広げて電動ドリルはOKだけど、3Dプリンターは無しとの事。パッと見て作り方が分からなくなるような工作はしないという感じですかね。まあそれでも困難にぶち当たる度に拡大解釈とルールの再定義を行って強引に進むなど、割とフリーダムな感じで解決を試みるのが笑えます。鉄の抽出に何とか成功しても微妙な調整が難しくて不純物が多く混じってしまうという事で、最終的には火を使わないで電子レンジを使った精錬を行いますからね。とりあえず火力で溶かすところまでは出来たんだから、同じ高温にするまでの手段は大目に見ましょうという事です。
そんなこんなで原材料を求めてイギリスから西へ東へ各地の鉱山を巡る旅へ出発です。有識者のアドバイスを貰いながら、鉄、雲母、プラスチック、銅、ニッケルを集める事になります。ひとまず市販のトースターを分解して、必要最低限な原材料をまとめた結果がこの5つになったんですと。分解途中でコンデンサやトランジスタなんかの電子部品が出てきたときに、これも一から作るのかという著者の葛藤と早々の妥協が笑えます。
数多くの困難にぶつかる中で果たしてトースターは完成するだろうか。当然表紙の写真のように完成はしますが、そこに至るまでの過程がメインですので道中の展開がとても楽しいです。そして少しふざけた題材を語る時に大真面目な言葉を使用すると面白さが引き立つってものですから、トースター作りを通してゴミや環境問題、自作のトースターに比べて滅茶苦茶安くて高性能な市販のトースターが売られている理由なんかについての思いも語られましていろいろ楽しむことが出来ました。
その代わり途中の英文は妙に難しかった感じです。大真面目に格好つけて語るものだから、もう単語が全然わからなくて非常にきびしー!読む前に電子辞書の履歴を消しておいてどのくらい単語を調べたか分かるようにしてみましたが、読み終わりまでに調べた英単語はだいたい277種類となりました。まだまだ苦労しますね。しかも単語の意味は分かっても、文章の意味が分かるかどうかは別問題という。
ノンフィクションは読みやすいと今までの経験から思っていましたが、内容の愉快さとは裏腹に予想外に手こずった一冊でした。
英語のゲーム「Sword of Asumi」
どうもこんにちは。英語のゲームでお勉強のお時間です。またまたギャルゲーっぽいので遊んじゃうぞ。
そこそこ探して見つけましたギャルゲーっぽいこちらのゲーム「Sword of Asumi」。アメリカ製なんだかイギリス製なんだか、はたまたアジアのどこかなのかイマイチ製作元が分からず、せっかく英語の勉強をするのに英語圏以外のゲームは避けたいなぁと考える私の不安が最後まで残るプレイングとなりましたがひとまずクリアはしました。なんか販売元のサイト(US)にはえっちい絵がいっぱい出てきたけど、会社情報はよく分からなかったの。
あ、このゲーム自体は全年齢対象です。app storeで240円でした。
ギャルゲーですが主人公は女の子。上の画像で言うと真ん中の子です。ゲームのタイトル画面で日本語の主題歌が流れたり、舞台は現代っぽいけど江戸と発音がそっくりのエドだったり、主人公の女の子は秘密組織のアサシンで立派なサムライになることを夢見てたりします。日本で製作された内容じゃなさそうだけど、外国要素があまり感じられない(たとえ間違った日本観としても)あたりが実に微妙な気分にさせてくれます。自分で選んどいてなんだけど、ギャルゲーは日本の文化なのか外国作品でもホント日本のコピー品みたいなものしか見当たらん。違いが感じられないなら普通に日本のゲームを遊ぶさ。まぁとりあえずゲーム開始です。
主人公の女の子 アスミ(Asumi)は本業がアサシンのため、オープニングからどこかの屋敷に侵入して暗殺業務に精を出しています。途中でメイドに見つかっていきなり「殺す」か「行動不能にする」の選択肢を選ばされますが、アスミさんはプロなのでどちらを選んでもちゃんと任務を進めていってくれました。物語の導入にふさわしい小手調べ的なミッションが終わりますと、組織の先輩がやってきて特別任務を言い渡されます。名門のバトルアカデミーに一般生徒として潜入して、反乱組織オロチの重要人物レイブンを抹殺するのです。というわけで自分の素性を隠しつつアカデミーのどこかにいるレイブンを探しながら、一般生徒たちとあれこれ楽しんじゃうギャルゲー生活の始まりです。
しかしギャルゲーと言えど主人公は女の子のため、どうしても野郎の影がどこかしらにちらつきます。適当に社交辞令的な返事を選んでたらイケメンがいっぱい引っかかってきました。アスミさんも潜入ミッションを忘れたかのように、普通に授業を受けて普通にテンパったりイケメンたちの甘いささやきに簡単に心奪われたりとそれなりに楽しんでいるようでした。ただ楽しんでいる方が多くて、探している敵の情報はいくらストーリーが進んでもいまいちはっきりしません。こんなんで大丈夫かしらと思っていたら、何も判明していないうちに最終日に到達したらしくて、今まで一番気になる人を選ぶ選択肢が出てきました。どうやらアスミさんは目的を果たす前に、大事な人に告白しに行くらしいです。えー、特に気になるやつなんかいなかったけどどうしよう。というか出てきた名前すらよく覚えてないや。とりあえず、なんか見た事のある名前の奴を選んで適当にお茶を濁そう…
ぐえー!!
キミそいつの事そんなに好きだったっけ?ってくらい唐突にアスミさんは「愛してるの!」という告白と一緒にアサシンという身分も告白して相手に特攻。相手は「ごめん、そこまで愛してない」の返事をナイフに載せて、物理的にアスミさんのハートを見事にブレイク。バットエンドへとたどり着きました。こいつ絶対許さねぇ…!なんだよ会話したときはアスミさんにデレデレしてたくせによ!いいもん次は違う男にするもん!
ぐえー!!
二回目の攻略も虚しく、男に刺されるアスミさん。というか最後の選択肢の唐突さが本当にヤバイ。フラグを立ててようが立ててまいが、選んだ瞬間にアスミさんが好き好き大好きモードになって告白しに行っちゃうんです。ついでに自分がアサシンで人を殺しに来たことも告白しちゃうから相手はドン引きですよ。穏便な相手なら逃げられるだけで済みますが、武術の心得がある相手だとこのザマです。
という事で男は無視することにします。このゲームではちゃんとフラグを立てれば女の子とも仲良くなれます。もちろん最後の告白も好き好き大好きモードで特攻しますので、お友達とかじゃなくてちゃんと恋愛関係になれます。やったね。
でもイベントシーンになると、アスミさんや他の女の子の顔つきが別人に変わりますのであんまり嬉しくありません。普段の立ち絵の時ならまだカワイイのですが…。
ちなみに一番カワイイと思ったのがスタッフロール時のこの子です。本編で出てこなかったんですがどういう事ですか。髪型はアスミさんに似ているんですけど、同じ組織の後輩ちゃんとかですかね。
ゲーム本編中はそこそこ選択肢の数も多く、登場人物たちもメンツがそこそこ揃っていますが、分岐毎のお話の繋がりがどれも似た感じになってあまり違うルートに進んだ感じがしません。個別エンディングもさらりと終わっちゃいますしね。
本編の英語は学校内での会話が多い分特別難しいことはないと思います。英語音声は付いていませんでした。
ちなみによく分からなかったレイブンの正体は、最後の殺害対象を選ぶ選択肢で運良く正解を選べば判明します。別に事前のフラグとかはいらないようで、対象の人物の名前は必ずありました。ただしアスミさん、間違っていても「お前がレイブンだな!」と自信満々にクラスメイトを殺しに行きます。殺した後に正解か間違いか気付くアスミさん。なぁに、運が良ければそのままグッドエンディングさ。
ふぅ、何はともあれグッドエンディングにたどり着けたのでよかったです。
【根性で学ぶ】学習用じゃない英語のゲームでランキング
英語でプレイしたゲームの本数がそこそこ増えてきましたので、リストにして整理です。
ゲームで楽しみながら英語を勉強するのが目的ですが、学習用ゲームやアプリと違って難易度はそこそこ高いレベルからしかないので根性が必要です。普通のゲームだからしかたないね。でもね。
ヽ(`Д´)ノ 学習用のゲームで面白いものを探したいんじゃない!
ヽ(`Д´)ノ 面白いゲームで、ついでに英語が勉強したいんだよ!
英語の勉強用ゲームは世の中に多数あれど、そもそも面白さなんて期待しちゃいけないものが多くてとても辛い。かといって普通の英語圏のゲームをプレイすると、言っている意味が全然分からなくてこっちも辛い。どちらを選んでも苦難しかありませんが、最後までプレイする際に頼れるのは己の根性です。そんな根性プレイリスト。
一応、私の場合は英語力ゼロからのスタートじゃなくて、別方面で少し勉強してからゲームで遊び始めています。その辺までの流れはこのあたりの日記を参照↓
・洋書を読みたくて頑張った2000日間の日記
さてゲームの区分け基準ですが、超個人的偏見で見る点はこんな感じ
- ゲームの面白さ :とても大事。
- 英語の分量 :少なすぎると嫌かな…。多い分には…上等だぁ!
- 英語の難しさ :全体的に難易度高いのでそんなに区別出来ない。でも難しすぎるのは勘弁な!
- 英語の音声/字幕 :字幕(文章)重視で、音声があると尚よし。
- 日本語 :あれば嬉しい程度。補助輪はいつか外さなきゃいけないんだよ!
- 英語勉強のし易さ :早送りとかリピートとか、あるとちょっと嬉しい。
- 価格 :安いに越したことはないけど、お金を使うことも大事
紹介するゲームは、現在のところ25本ほど。
A Wild Catgirl Appears! おすすめ:☆
[:W510]【ジャンル】美少女ゲーム(百合) 【機種】iOS 【買った価格】360円
【文章】日本語なし 【音声】なし
- 英語の分量 :ノベルゲームとしては短いけど、少々の文章は読むよ
- 英語の難しさ :会話文メインだから、多少はとっつき易い
- 良かった点 :英語が読める
- これはちょっと… :有料でこれは勧め辛い…
感想:英語で美少女ゲーム「A Wild Catgirl Appears!」
AGE OF ANGELS : International おすすめ:☆
【ジャンル】RPG 【機種】iOS 【買った価格】無料
【文章】日本語なし 【音声】英語でちょっとだけあり(ただし機械音声)
- 英語の分量 :あんまりない
- 英語の難しさ :教科書の例文みたいな感じ
- 良かった点 :無料で英語が読める
- これはちょっと… :バグで進行不可能なのはちょっと…
感想:英語のゲーム「AGE OF ANGELS : International」
Flewn おすすめ:☆☆
【ジャンル】デジタル絵本 【機種】iOS 【買った価格】480円
【文章】日本語なし 【音声】なし
- 英語の分量 :少ない
- 英語の難しさ :短く洗練された文章は、たまに凄く難しい…
- 良かった点 :とっても質の高い音楽と絵に彩られたお話
- これはちょっと… :勉強用には分量が物足りないね
感想:英語のゲーム「Flewn」
A Dark Room おすすめ:☆☆
【ジャンル】アドベンチャー 【機種】iOS 【買った価格】120円
【文章】日本語なし(ブラウザ版にはあり) 【音声】なし
- 英語の分量 :そんなにない
- 英語の難しさ :状況を説明する短い文章が主体
- 良かった点 :次第に出来る事が多くなってくるゲーム性が面白い
- これはちょっと… :ストーリー重視じゃないので分量が少し物足りない…
感想:英語のゲーム「A Dark Room」
Lifeline おすすめ:☆☆
【ジャンル】アドベンチャー 【機種】iOS 【買った価格】120円
【文章】日本語あり 【音声】なし
- 英語の分量 :多少ある
- 英語の難しさ :主人公の言い回しがウザイ
- 良かった点 :宇宙の遭難者と本当に通信しているようなゲームデザイン
- これはちょっと… :主人公の言い回しがウザイ
感想:英語でゲーム「Lifeline」
Invisible Apartment おすすめ:☆☆
【ジャンル】ビジュアルノベル 【機種】iOS 【買った価格】無料
【文章】日本語なし 【音声】なし
- 英語の分量 :ノベルゲームとしては短いけど、少しある
- 英語の難しさ :普通ですけど、SFチックな用語もいっぱい
- 良かった点 :キャラのグラフィックが綺麗です
- これはちょっと… :ユーザーインタフェースがしょぼい
感想:英語のゲーム「Invisible Apartment」
Sword of Asumi おすすめ:☆☆
【ジャンル】ギャルゲー 【機種】iOS 【買った価格】240円
【文章】日本語なし 【音声】なし
- 英語の分量 :それっぽく選択肢も楽しめるくらいはある
- 英語の難しさ :学校での普通の会話くらい
- 良かった点 :マルチエンディングでいろんなお話が楽しめるよ
- これはちょっと… :分岐はするけどお話の繋がりが不自然…
感想:英語のゲーム「Sword of Asumi」
planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜 おすすめ:☆☆
【ジャンル】キネティックノベル 【機種】iOS 【買った価格】350円
【文章】日本語/英語翻訳 【音声】日本語のみ
- 英語の分量 :短編程度でも、英語だと読み応え十分
- 英語の難しさ :日本語の言い回しでは難しいけど、英語は意外とそこまで難しくないです
- 良かった点 :ゆめみちゃんと星のお勉強が出来る
- これはちょっと… :やっぱり原作を一番楽しめるのは日本語なんだよなぁ…
感想:英語で美少女ゲーム 「planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜(1) ,(2)」
Juniper's Knot おすすめ:☆☆
【ジャンル】ビジュアルノベル 【機種】iOS 【買った価格】120円
【文章】日本語なし 【音声】なし
- 英語の分量 :多くはないけど、気軽にというほど短くはない
- 英語の難しさ :「普通」ってレベル高いよね
- 良かった点 :ほう、外国の悪魔っ娘も良い趣味してるじゃないかね
- 気になる点 :完全一本道
感想:英語のゲーム「Juniper's Knot」
Voices from the Sea おすすめ:☆☆☆
【ジャンル】ビジュアルノベル 【機種】PC(Steam) 【買った価格】無料
【文章】日本語なし 【音声】有料で追加できる
- 英語の分量 :短編程度でお手軽
- 英語の難しさ :会話文主体でなんとか頑張れる
- 良かった点 :お手軽に美少女ゲームを体験できます
- 気になる点 :せっかく海外のゲームなのに、キャラが日本のアニメチック
感想:英語のゲーム「Voices from the Sea」
Trulon おすすめ:☆☆☆
【ジャンル】RPG 【機種】iOS 【買った価格】600円
【文章】日本語なし 【音声】なし
- 英語の分量 :街の人との会話でそこそこ
- 英語の難しさ :会話主体で短いので、そこそこ頑張れる
- 良かった点 :カード選択式の戦闘が面白いです
- 気になる点 :ちいさくまとまった出来。(ボリュームは多くないです)
感想:英語のゲーム「Trulon」
The Last Express おすすめ:☆☆☆
【ジャンル】ポイント&クリック アドベンチャー 【機種】iOS 【買った価格】600円
【文章】日本語なし/英語字幕も一部なし 【音声】あり
- 英語の分量 :基本英語だけど、英語以外も結構ある
- 英語の難しさ :難しすぎる!字幕なしで映画を理解する感じ
- 良かった点 :ロトスコープを利用したリアルなアニメーション
- 気になる点 :勉強するには難しすぎる!
感想:英語のゲーム「The Last Express」
Whispering Willows おすすめ:☆☆☆
【ジャンル】ポイント&クリック アドベンチャー 【機種】iOS 【買った価格】600円
【文章】日本語なし 【音声】なし
- 英語の分量 :そこそこある
- 英語の難しさ :会話文主体で頑張れる
- 良かった点 :正統派ポイント&クリック アドベンチャー
- 気になる点 :英語が全部大文字
感想:英語のゲーム「Whispering Willows」
Forgotten Memories おすすめ:☆☆☆
【ジャンル】アクションホラー 【機種】iOS 【買った価格】720円
【文章】日本語なし 【音声】英語あり
- 英語の分量 :そこそこ読む文章と会話はあるよ
- 英語の難しさ :真面目な文章ばかりで素直に理解できる
- 良かった点 :グラフィックが凄く良くて雰囲気ばっちし
- 気になる点 :怖すぎる
感想:英語のゲーム「Forgotten Memories」
Fearless Fantasy おすすめ:☆☆☆
【ジャンル】RPG 【機種】iOS 【買った価格】480円
【文章】日本語なし 【音声】英語あり
- 英語の分量 :少々読む文章と会話はあるよ
- 英語の難しさ :コミカルな感じでなんとか頑張れる
- 良かった点 :愉快な仲間とのフルボイスのやり取りが楽しいです
- 気になる点 :たくさん英文が読めるわけではない
感想:英語のゲーム「Fearless Fantasy」
Mage Gauntlet おすすめ:☆☆☆
【ジャンル】アクションRPG 【機種】iOS 【買った価格】360円
【文章】日本語なし 【音声】なし
- 英語の分量 :少々読む文章と会話はあるよ
- 英語の難しさ :元気なレクシーさんと頑張れる
- 良かった点 :2DアクションRPGが個人的に好きです
- 気になる点 :わざと間違えてる英語にどう立ち向かうか
感想:英語のゲーム「Mage Gauntlet」
Undertale おすすめ:☆☆☆
【ジャンル】RPG 【機種】PS4/Vita 【買った価格】1620円
【文章】日本語あり 【音声】なしよい子とわるい子のRPG。海外にも日本にもファンが多くて人気の高さが伺えます。ゲームのお話がとっても素敵でお勧めできるのですが、面白い会話が多い本編は英語が理解し辛く勉強用には少しお勧めし辛い印象。せっかくある日本語訳も、システム的に切り替えがやり辛くてあまり実用的ではありません。なので控えめなおすすめ度です。いや、しかし改めてプロの翻訳の凄さを実感しましたわ。英語だと面白い箇所が全然分からなくても、日本語訳を読むと凄い愉快なやり取りをしてるんですもの。そんで再度英文を見ると、そう訳したの!?って驚くの。英語のままでいつかそこまで笑えるようになりたいですね。
感想:英語のゲーム「Undertale」
BEYOND: Two Souls おすすめ:☆☆☆
【ジャンル】アドベンチャー 【機種】PS3 【買った価格】6000円くらい
【文章】日本語あり 【音声】英語/日本語
- 英語の分量 :けっこうあるよ
- 英語の難しさ :映画を見て勉強する感じ
- 良かった点 :映画をそのまま動かしているようなゲーム
- 気になる点 :日本語切り替えが出来ますがちょっと手間
感想:英語のゲーム「BEYOND: Two Souls」
Yesterday おすすめ:☆☆☆
[:W510]【ジャンル】ポイント&クリック アドベンチャー 【機種】iOS 【買った価格】840円
【文章】日本語なし 【音声】英語あり
- 英語の分量 :けっこうあるよ
- 英語の難しさ :ノンストップの速さで理解が大変
- 良かった点 :英語音声もいっぱいあるから、読んだり聞いたり出来るよ
- 気になる点 :ネイティブの普通が我々にとってのベリーハードです
感想:英語のゲーム「Yesterday」
The Journey Down おすすめ:☆☆☆
【ジャンル】ポイント&クリック アドベンチャー 【機種】iOS 【買った価格】600円
【文章】日本語なし 【音声】英語あり
- 英語の分量 :けっこうあるよ
- 英語の難しさ :ジョーク満載の英語で笑うには相応の英語力が必要
- 良かった点 :ナイスな音楽と全編フルボイス
- 気になる点 :字幕があるとはいえ瞬時にジョークの理解は難しい!
感想:英語のゲーム「The Journey Down」
Gemini Rue おすすめ:☆☆☆
【ジャンル】ポイント&クリック アドベンチャー 【機種】iOS 【買った価格】600円
【文章】日本語なし 【音声】英語あり
- 英語の分量 :けっこうあるよ
- 英語の難しさ :硬派な会話は素直に理解しやすい
- 良かった点 :割と丁寧に動くドット絵が素敵
- 気になる点 :あとは勉強の手助けになるシステムが何かあれば…
感想:英語のゲーム「Gemini Rue」
Everlasting Summer おすすめ:☆☆☆☆
【ジャンル】美少女ゲーム 【機種】iOS 【買った価格】無料
【文章】日本語なし 【音声】なし
- 英語の分量 :かなりあるよ
- 英語の難しさ :簡単じゃないけど美少女へのモチベーションで乗り切れ!
- 良かった点 :無料で割としっかりしたロシアンギャルゲーが遊べました
- 気になる点 :どう見ても初音ミクです。ありがとうございました。
感想:英語のゲーム「Everlasting Summer」
Her Story おすすめ:☆☆☆☆
【ジャンル】アドベンチャー 【機種】iOS 【買った価格】480円
【文章】日本語なし 【音声】英語あり
- 英語の分量 :結構あるよ
- 英語の難しさ :ネイティブの発音の神髄が味わえます
- 良かった点 :一時停止、再生、逆再生が簡単に出来るゲームシステム
- 気になる点 :字幕を見ながらでも聞き取れない本場の英語の恐ろしさよ
感想:英語のゲーム「Her Story」
Broken Age おすすめ:☆☆☆☆
【ジャンル】ポイント&クリック アドベンチャー 【機種】iOS 【買った価格】1200円
【文章】日本語なし 【音声】英語あり
- 英語の分量 :結構あるよ
- 英語の難しさ :発音も聞き取りやすく分かりやす部類ではある
- 良かった点 :絵本のようなグラフィックと、細かいところまでボイス付き
- 気になる点 :英語でプレイする価値があるゲームなので気にするでない
感想:英語のゲーム「Broken Age」
Life Is Strange おすすめ:☆☆☆☆☆
【ジャンル】アドベンチャー 【機種】PS4 【買った価格】3800円くらい
【文章】日本語あり 【音声】英語あり/日本語あり
- 英語の分量 :読む量も聞く量も結構あるよ
- 英語の難しさ :発音も聞き取りやすく分かりやす部類ではある
- 良かった点 :日本語/英語の切り替えが凄く速い。時間を巻き戻すゲームシステムがヤバイ
- 気になる点 :学習用じゃないのにこれ以上何を望むってレベル
感想:英語のゲーム「Life Is Strange」
Girl With a Pearl Earring (15日目くらい)
好きな本 ぼしゅうのコメントより。
>さて、私があまりつっかえずに読めた数少ない洋書の1冊をオススメさせていただきます。"「Girl With a Pearl Earring」 Tracy Chevalier" 日本でも有名なフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」という絵がどのようにして描かれたか、を著者のシュヴァリエさんが想像して描いたフィクションです。私はもともとこの絵が好きだったこともあって楽しく読めましたが、興味のない方にはどうかな……という不安もありますが、英語が易しくて、スラスラ読めたのでとても嬉しかったです。もしお時間があったら読んでみてください。今のクリハラさんには簡単すぎるかも?(笑)
りおさんからおすすめの本を教えていただきました。ありがとうございます。
近頃は英語のお勉強代わりに洋書を読むようになってまして、その辺を慮って頂いた上でのセレクションですね。ですので日本語訳版ではなくて英語の原書で読む必要があります。───こいつは長い戦いになりそうだ!
という感じで今回読みました本はコチラ「Girl With a Pearl Earring」。紹介者さんのご説明にあるように、17世紀頃のオランダの画家 フェルメールの作品の一つである「真珠の首飾りの少女」を題材にした、フェルメール一家と一人のメイドさんとの奇妙に拗れた人間関係がお話として描かれています。本文の英語は特別難しいものではありませんでしたが、そもそも洋書の"簡単"はスタートラインの感覚が違うからねー。ばっちり四苦八苦しましたよもー。超頑張った私。感想用に結構丁寧に読んではいたけど、それでもかなり気合を入れて読み進めても15日ほどの時間が必要でした。日本語の文庫本だったら4〜5冊は読めたくらいの労力。ま、普通だな!
さてそんなことは置いときましてお話の内容ですが、主人公の女の子がちょっと貧乏な我が家を助けるためにメイドになって働く場面から始まっていきます。稼ぎ頭だったパパが最近事故で失明してしまい失職中、お兄ちゃんも外に働きに出ているけど十分とはいかなくてとうとう主人公のGrietさんもVermeerさんちに出稼ぎに行くことになりました。本文は英語でも舞台がオランダのせいか登場人物の名前が全く読めません。Grietはグリートさんで何となく分かりますがVermeerでフェルメールとは字面だけじゃとても読めませんでしたので、これからは映画版とか翻訳版の登場人物名で書いていくことにします。Vermeer…ヴァーマー…ヴェーミーァ…、聞かなかったことにしてください。
グリートさんが住み込みメイドで働くため御両親は娘を売ってしまったかのように心配していますが、そんな昔とはいえ週一で家に帰れるし賃金も(安いけど)ちゃんともらえるし扱いも別に奴隷ってわけじゃないしで、特別変な就労条件でもなさそうです。職場には態度のキツイ女主人がいて、すっかりお局様と化した先輩メイドがいて、お世話する子供たちもわんさかいてと、普通の職場でも遭遇しそうな苦労がグリートさんを待ち受けます。グリートさんの方も初日からナメた態度を取った子供をひっぱたいていましたので、大人しそうに装ってもこの娘はこの娘でやられてもタダじゃ済まさない強かさを秘めておりました。各々の武器を懐に隠した、静かな緊張感が張り詰めるメイドさん生活の始まりです。
新しい職場で右も左もわからない状態の不安さは読んでいるだけの私にも深く刺さりまして、実にグリートさんに共感してしまいます。初めてのメイド仕事で頼らなくてはいけないその道何十年の先輩メイド、Tanneke(タンケネ?)お姉さまの態度は決して柔らかではありません。しかしその家の作法や仕事は教えて頂かなければ分かりませんので、お叱りは謹んで頂戴し自分の非は素直に認め反論をぐっと堪えてあくまで下手に出る…、サラリーマン生活を思い出させるグリートさんの苦労に心の中で涙が止まりません。ただグリートさんは軟弱な娘ではありませんので、そんな境遇に悪戦苦闘しつつもしっかりと仕事をこなして一家の一員になっていくのです。苦境の中でも立ち向かっていく姿を見せてくれる、いつだってそんなヒーローを待ち望んでいる私にとってグリートさんは最高に輝いて見えました。
このお話の妙は、微妙な力関係で保たれているフェルメール一家内での静かなるランキング争いでしょうか。日々の掃除や食事の用意のどれを取っても人付き合いがある以上、払わなければいけない注意や敬意があります。ランキング最下位の新人グリートさんは嫌がらせや必要な気遣いも多いのですが、彼女の持つ特別な色彩感覚が一家のNo.1である寡黙な主人 フェルメールに必要とされると、表面上は変わらなくとも一家内のパワーバランスに狂いが生じてきて面白くなってくるのです。さらに変化の種は外にもふんだんにありまして、グリートさんを狙う肉屋のイケメン息子ピーター、同じくグリートさんをターゲットにするも圧倒的強者の富豪ファン・ライフェン(フェルメール家のパトロン)など、いろんな意味で大人気のグリートさんからますます目が離せなくなっていきました。
そう、登場人物たちのキャラクターがどれも個性的なんですよね。肉屋のイケメン息子ピーターは表面上は実に爽やかな紳士なんですけど、グリートさんの気を引こうと結構強引な行動に出る事もあります。ケダモノ!でも実際はグリートさんを多少ドギマギさせても彼女の気の強さに失敗に終わることも多くて、逆に何故かグリートさんがちょっとだけよと気が向いたときにボディタッチで誘惑してくる始末。おさわりだけしか許してもらえなくても"I will see all of this. You will not always be a secret to me."(いつか全部ものにしてみるよ。いつまでも僕に隠し続けられはしないよ)、と服越しのおっぱいに向かって捨て台詞を残して去っていくピーター。いつもよくその寸止めで耐えられるなお前と正直思いました。
富豪のファン・ライフェンはもうちょっと余裕のセクハラをかましてきまして、流石にセクシーを見せたらヤバイとグリートさんは思ったのか極力接触を避けて過ごすも、腿へのおさわり被害に何度か遭います。ちなみに腿は英語で"thigh"です。単語を覚えるくらいおさわりしてました。"You - the wide-eyed maid"(目の大きなメイドさん,みーつけた)ってな感じの決め台詞で見つかる度にちょっかいをかけられます。
さらにはもうフェルメール夫人のカタリーナからは基本嫌われるし、夫人の実母マーリア・ティンスは敵ではないけど抜け目ない性格だしで、気の休まる時間は寡黙な主人 フェルメールのお手伝いをしている時間なくらいのものです。画家の作業は繊細なもので家族でもそう易々とアトリエに入ることは許されていないのですが、グリートさんはその特殊な感性からお掃除で入ることは許されていました。言葉少なく日常を過ごすフェルメールとグリートさん。この特別さから抱く気持ちは主人への敬意なのか はたまた尊敬なのか淡い恋情なのか、曖昧なグリートさんの気持ちはぐるぐるとずっと燻っているにも関わらず、フェルメールさんからのオーダーは優しくも素っ気ないまま。この日常がずっと続けばと思ってしまいたくもなる静かなひと時です。この状態は焦らしに焦らしてずっと波風を立てず、終盤に差し掛かって色んなことをやらねば苦しい状態にまで追い込まれてとうとうフェルメールがさんが絵筆を執るまで続きます。命令すればいつでも出来るけど今まで頑なにグリートさんをモデルに絵を描かなかっただけに、"Yes.Don't move."(そうだ、そのままじっとして)と静かに伝えてスケッチを始めた様子が実に特別な意味を持ちます。彼に絵を描いてもらうという行為はとても特別で、単に親しいというだけでは実現しないのですから。それを単なる雇われメイドの小娘相手にですよ。"He was going to paint me"(彼は私の絵を描き始めた)。この単純な一文がどうしてこうもセクシーで官能的な響きを持つのでしょうか。絵を描き始めれば彼の言う事は絶対で、決めたポーズのまま動いてはいけません。そして鋭い視線は細部を描くために体の隅々まで駆け巡ります。いつもの素っ気ない彼の態度とは真逆の濃密な時間。ことが始まればフェルメールさんの意外な心の内も見えてきました。"I will not paint you as a maid."(君を単なるメイドとして描きたくはない)。"I will paint you as I first saw you,Griet. Just you."(君を初めて見た時のように描きたい。そのままの君を。)
(*>∀<*) キャー!!ずっと前からそんなこと考えてたのねー!
後半の盛り上がりが実に素晴らしいです。そして絵を描き終わると同時に二人の特別な関係も終わってしまうのです。その時間が実にいとおしい…。この「真珠の耳飾りの少女」を描いたときフェルメールは史実では34歳くらいですから、フェルメールさんに近い立場の私。対してグリートさんは17歳というこの絶妙な年齢設定はいろんな妄想が捗ります。でも実際はグリートさんと一緒にフェルメールさんにドキドキしてた時間の方が長かったような…。ダウナーな優男でとっても紳士なのよ、フェルメールさんって。
このお話はフィクションとは言えども史実のフェルメール家の行方と同じ方向へ進んでいきますので、かつての優雅な生活も鳴りをひそめて多額の借金で終焉を迎えます。フェルメールも亡くなり、残された借金の中で過ごすカタリーナ夫人や実母マーリア・ティンスもお話の中では描写はありませんが、このお話の後で史実と同じ結末を迎える運命にあるのでしょう。なんとも言えない寂しさが残ります。
それでも最後の方でグリートさんを覚えてないはずのフェルメール家の子供が、'You're the lady in the painting.'(あの絵の女の人でしょう?)って真珠の首飾りの少女の事を知っていてくれたことが、とっても素敵な事だなって思いました。私はあまりじっくりとフェルメール作の絵を見たことはなかったのですが、今見てみますとお話の中で描かれていたアトリエの様子や登場人物たちを想起させる、生き生きとした光景が鮮明に残っていまして、かつてグリートさんが暮らしたフェルメール家の証が今も生きているなぁとしみじみするようになりました。絵をもとにこのお話を作ったんだから当然ですけどね。でもあの名画の裏にはこんなドラマがあったかもしれない、なんて想像するのはとっても楽しいじゃないですかね!